相撲の番付とは?その複雑で奥深いランキングの仕組みをやさしく解説
相撲は日本の伝統的なスポーツであり、その世界は一見すると複雑で難しいように見えますが、実は誰にでも楽しめます。
だからこそ江戸時代以前から数百年に渡り、興業として楽しまれてきたのです。
特に、相撲の番付制度を知ることで、さらに相撲を心から楽しめるようになるでしょう。
この記事では、相撲の番付制度がどのように機能し、力士たちの地位やキャリアをどのように形作っているのかを、分かりやすく解説します。
力士たちの当事者ですら「とてもよくできた仕組み」と言わしめる番付について学んでみましょう。
相撲の番付とは?
相撲の番付とは、今風に一言で言うなら「力士のランキングシステム」です。
これは力士の実力、成績、地位を示すもので、戦績に応じて定期的に更新されます。
この番付には多くの階級があり、それぞれの階級は力士の実力や成績に応じて異なります。
このシステムは相撲の世界で非常に重要な役割を果たしており、力士のキャリアに大きな影響を与えます。
見相撲の番付の仕組み
相撲の番付は、東西に分かれた二つの番付から成り立っています。
番付は大きく二つの部分に分かれており、東が西よりもわずかに高い地位を示します。
力士の名前は、彼らの階級と共に番付に掲載されます。
このリストは、力士の過去の成績に基づいて定期的に更新され、力士の昇降格を決定します。
相撲の番付①東西なら東が半枚だけ上
相撲の番付において、東西の区分は非常に重要です。
同じ階級の力士であっても、東の力士は西の力士よりもわずかに上位に位置します。
具体的には「東は西よりも半枚だけ上」とされています。
つまり同じ横綱であっても、東の横綱の方がわずかに実力が上、と考えることができるのです。
これは伝統的な慣習に基づいており、相撲の世界ではこの細かな差が大きな意味を持ちます。
相撲の番付②上にあるほど順位が上
番付の表において、力士の名前が上に位置するほど、その力士の順位は高くなります。
これは力士の実力や、前回の大会での成績に基づいて決定されます。
力士が良い成績を収めれば、次の番付で上位に昇格する可能性があります。
相撲の番付③左から右にあるほど順位が上
番付に掲載される力士の名前は、左から右へと順位が高くなるように配置されます。
これは番付の読み方の基本であり、力士の位置は彼らの実力や強さを反映しています。
左側に名前がある力士は、その階級の中でもやや実力が下であることを意味します。
相撲の番付一覧!ピラミッド構造にするとこうなる
相撲の番付をピラミッド構造で見ると、競争の激しさがよく理解できます。
頂点に立つ横綱から始まり、下位の階級に行くほど力士の数が増え、競争も激しくなります。
それぞれの階級の特徴を見ていきましょう。
番付・階級:横綱
横綱は相撲の番付で最高位に位置し、この地位に就く力士は、相撲界における最高の名誉と尊敬を受けます。
横綱になるためには、卓越した実力と一貫した成績、そして品格が求められます。
横綱は、相撲界の象徴として、その行動一つ一つが注目される最高位の番付けで生ける伝説とも言えます。
明確な決まりはありませんが、在位する力士の数は通常少なく、時には1人または2人、多くても3人から4人程度です。
番付・階級:大関
大関は横綱の直下に位置し、非常に高い技術と実力を持つ力士が就きます。
大関の地位は、安定した成績を維持することが求められ、横綱に昇進するための重要なステップとなります。
大関に長く留まることは大きな名誉であり、彼らは多くの相撲ファンから高い支持を受けます。
大関の力士の数も通常は数人程度であり、常に激しい競争が繰り広げられる番付です。
高い実力と成績が求められるため、常にこの地位にいる力士の数は限られています。
番付・階級:小結
小結は、上位力士の中でも特に実力のある者が位置する番付です。
小結の地位は、大関への昇進を目指す力士にとって重要な一歩であり、ここでの成績が将来のキャリアに大きな影響を与えます。
小結の力士は技術的にも精神的にも強靭でなければならず、さらに怪我をしないためのタフネスさも求められるでしょう。
才能のある一部の力士だけがたどり着ける境地と言ってもいいでしょう。
小結の階級には、一般的には約2人から4人の力士がいます。
この階級は上位ランクへのステップとなる重要な位置です。
番付・階級:前頭
前頭は、幕内最下位の階級ですが、幕内力士としての地位を保持していること自体が名誉と言えるでしょう。
前頭の力士は、上位階級への昇進を目指して日々努力し、その過程で多くの経験を積みます。
前頭の力士は、場所ごとに激しい競争を繰り広げ、番付の維持、そして昇進するために激しい稽古を積まなければなりません。
前頭の階級には、幕内の中で最も多くの力士が含まれます。
約30人前後の力士がこの階級に位置していることになりますが、理論上の最大人数は東西18枚ずつの36人です。
番付・階級:十両
十両は、幕内と幕下の間に位置する重要な階級です。
十両の力士は、幕内昇進を目指して日々練習に励みます。
十両の地位を維持することは容易ではなく、常に上位への昇進を目指すと同時に、幕下への降格を回避するために必死に稽古を積む必要があるのです。
月給を支給してもらえるのもこの十両から。
また十両の階級には現在28人の力士がいます。幕内への昇進を目指す力士たちがこの階級に集まります。
番付・階級:幕下
幕下は、十両への昇進を目指す力士が位置する階級です。
幕下の力士は、さらなる技術の向上と実力の証明を求められ、厳しい競争の中で自らを磨きます。
十両と幕下ではほぼ同じ番付けであるのにも関わらず、月給の有無など待遇が天と地ほどさがあるため「十両は天国、幕下は地獄」と言われるほど。
そのため幕下の力士にとって、十両への昇進は大きな目標であり、彼らの努力は非常に大きなものです。定員は東西60枚の120人となります。
番付・階級:三段目
三段目は、相撲界の中堅クラスに位置し、ここで力士は基本技術の確立と実戦経験を積みます。
三段目の力士は、幕下への昇進を目指し、日々の稽古に励んでいます。
三段目の場所では、力士たちの成長が顕著に見られることが多いです。定員は東西90枚の180人です。
番付・階級:序二段
序二段は、相撲の世界での初心者が経験を積む場所です。
この階級の力士は、基本的な技術と経験を身につけることが主な目的です。
序二段での成績が良ければ、力士は三段目へと昇進することができます。定員に決まりはなく、数十人から数百人となります。
番付・階級:序の口
序の口は、相撲界での最初のステップです。
ここでは、力士が基本的な技術や駆け引き、体作りを学び、実戦経験を積みます。
序の口の力士は、次の段階への昇進を目指し、毎場所、自身の技術を磨くために努力します。
定員に決まりはなく、数十人から数百人となります。
番付・階級:前相撲
前相撲は、相撲の世界に入ったばかりの新人力士が位置する階級です。
この階級の力士は、基本的な相撲の技術とルールを学びながら、実戦経験を積みます。
前相撲の力士は、序の口への昇進を目指し、相撲界でのキャリアをスタートさせます。
相撲の番付とその階級は、力士の技術、成績、地位を示す重要な指標です。
各階級での競争は激しく、力士たちは常に上位への昇進を目指して努力します。
相撲の世界は、これらの力士たちの熱い戦いによって形成されています。
番付表はどこで購入できる?
相撲の番付表は、その詳細な情報と美しいデザインで、相撲ファンにとって非常に価値のあるアイテムです。
人によってはコレクションとして収集している人も。
これらの番付表は、一般に以下の場所で購入することができます。
相撲場所の会場
大相撲の各場所(大会)が開催される会場では、その場所の番付表を購入することができます。
これは場所ごとに更新され、その場所で競う力士の情報が掲載されています。
日本相撲協会の公式サイト
日本相撲協会の公式サイトでは、オンラインで番付表を購入することが可能です。
ここでは最新の番付表を手に入れることができます。
専門の相撲グッズ店
日本の主要な都市には、相撲関連のグッズを専門に扱う店舗があります。
これらの店舗では、様々な時期の番付表を購入することができます。
インターネット上のオークションサイトや古書店
過去の番付表をコレクションとして求める場合、オンラインのオークションサイトや古書店で見つけることができることもあります。
その他:番付表の蒙御免(ごめんこうむる)の由来
番付表の中央には大きな文字で「蒙御免(ごめんこうむる)」と書かれていますが、この言葉の由来は、江戸時代に相撲興業における寺社奉仕について、文字通り許可を得ていたことが起源です。
つまり公認の興業であることを示す言葉ということですね。
現代でも、大相撲の番付表の最後に「蒙御免」という表現が記されており、これは伝統的な慣習として受け継がれています。
この用語は、相撲の歴史や文化を象徴する一部として、今日も尊重されています。