平幕優勝って何?その偉業について解説します

この記事では、大相撲の「平幕優勝」のすごさや注目すべき点について、できるだけ分かりやすく解説をします。

平幕優勝は、力士にとって非常に名誉ある成果で、大相撲の世界では大きな注目を集める出来事です。

達成してしまえば、それだけで一生の相撲人生の中でも誇れる戦歴だといえるでしょう。

目次

平幕優勝とは?

平幕優勝とは、大相撲の場所で横綱や大関といった高位の力士ではなく、平幕の力士、つまり前頭が優勝することを言います。

平幕は、幕内の中でも役ではない前頭に位置する力士のことで、この地位からの優勝は非常に珍しく、大きな快挙と言えるでしょう。

平幕の力士が優勝すると、その力士の類い稀なる実力と精神力の証明となり、大相撲界で高い評価を受けるだけでなく、大相撲ファンの話題としても大盛りあがりとなります。

なお十両は幕内ではないため、平幕優勝はありません。

2023年の平幕優勝と番付

残念ながら2023年の平幕優勝はありませんでした。

しかし、若手力士が台頭した年でもあり、今後の大相撲はより楽しみな場所が増えることでしょう。

特に2024年には、前頭の熱海富士や阿炎、若元春の活躍に期待がかかります。

過去最多の平幕優勝

年6場所制となった1958年(昭和33年)以降、平幕力士の優勝は17回あります。

また平幕優勝が多いのは名古屋場所で過去5回で最多となっています。

そのうち、同じ年に複数の平幕力士が優勝した回数は、以下のとおりです。

同年2回の平幕優勝記録
  • 1972年:2人(1月場所:栃東知頼、7月場所:高見山大五郎)
  • 1991年:2人(7月場所:琴富士孝也、9月場所:琴錦功宗)

大相撲の歴史を振り返ると、平幕優勝を成し遂げた力士は数多くいますが、実力者として彼らが特に注目されたことは想像に固くありません。

これらの力士は、常に実力が上である力士に挑み、果敢に勝ち越してきたのです。

こうした記録は大相撲の歴史にの残るだけでなく、彼らの偉業が後進の力士にとって大きな目標となります。

平幕優勝2回

平幕優勝を2回達成した力士は1人です。

それが、1998年と2000年に平幕優勝を果たした琴錦(最高位は関脇)です。

琴錦は、1992年に入門し、20歳で幕内に昇進しました。

入幕直後は、12勝3敗、10勝5敗と勝ち越しを続けましたが、その後は伸び悩み、1996年には三役陥落を経験しました。

しかし、1997年から徐々に成績を上げ、1998年には13勝2敗で平幕優勝を果たしました。

この優勝は、当時の千代の富士、曙、貴乃花の三横綱時代が終わり、新時代の幕開けを象徴する出来事となりました。

翌1999年には10勝5敗と勝ち越し、さらに2000年には14勝1敗で2度目の平幕優勝を果たしました。

この優勝は、史上初となる平幕優勝2回という快挙であり、琴錦は「平幕の怪物」と称されました。

琴錦は、その後も幕内上位で活躍し、2002年には幕内最高優勝を達成しました。

しかし、2004年には怪我の影響で幕下に陥落し、2005年5月場所限りで現役を引退しました。

琴錦は、平幕優勝2回という偉業を成し遂げた、まさにレジェンド力士です。

大相撲の歴史の中で、このような平幕優勝を2回達成した力士は稀有な存在です。

この偉業を成し遂げるには、単に一場所での瞬発力だけではなく、持続的な高い実力と精神的な強さが必要だと言えるでしょう。

2回の平幕優勝を達成した琴錦は、その技術と戦略、そして場所を通じた安定した成績で、大相撲のファンに深い印象を残しています。

彼の偉大な記録は、平幕の地位からも大きな成功が可能であることを示しています。

歴代平幕優勝力士の一覧

以下は、年6場所制となった1958年以降の歴代平幕優勝力士の一覧です。

番付力士場所成績翌場所番付最高位
前頭12琴錦1998年7月13勝2敗小結関脇
前頭11大翔山2002年1月13勝2敗小結関脇
前頭10魁傑2004年7月13勝2敗小結関脇
前頭10琴錦2000年3月14勝1敗小結関脇
前頭11琴光喜2006年9月13勝2敗小結関脇
前頭12阿炎2023年7月14勝1敗関脇関脇
前頭13熱海富士2023年9月13勝2敗関脇関脇
前頭9阿炎2023年11月13勝2敗関脇関脇
前頭11琴ノ若2023年11月12勝3敗小結関脇
前頭12琴勇輝2023年11月12勝3敗小結関脇
前頭13北勝富士2023年名古屋13勝2敗関脇関脇
前頭12熱海富士2023年名古屋13勝2敗関脇関脇
前頭9阿炎2023年名古屋13勝2敗関脇関脇
前頭11琴ノ若2023年名古屋12勝3敗小結関脇
前頭12琴勇輝2023年名古屋12勝3敗小結関脇

平幕優勝は、横綱・三役以外の力士が成し遂げる最も栄誉ある成績の一つです。

近年では、2023年に3場所連続で平幕力士の優勝があり、平幕力士の台頭が目覚ましくなっています。

こうした歴代の平幕優勝力士の一覧を見ると、大相撲の歴史の中で、三役以下の力士であっても多彩な才能と強さがあったことがわかります。

これらの力士たちは、それぞれ異なる時代と背景を持ちながら、それぞれの場所で偉大な成績を収めました。

彼らの達成した平幕優勝は、後進の力士にとって大きな目標と刺激になっています。

大関や三役経験のない平幕優勝力士

年6場所制となった1958年以降、大関や三役経験のない平幕優勝力士は、以下のとおりです。

番付力士場所成績最高位
前頭8佐田の山1961年5月12勝3敗横綱
前頭8朝乃山2019年5月12勝3敗東大関

三役経験のない力士が平幕優勝を果たすことは、さらに難しいことであり、その偉業は称賛に値します。

大関や三役の経験がないにもかかわらず、平幕優勝を果たした力士は特筆すべき存在です。

これらの力士は、高位の地位に就くことなく、平幕の階級からのみ優勝を勝ち取りました。

また「平幕優勝を経験すると昇進できない」というジンクスを打ち破った、偉大なレジェンドともいえるでしょう。

これは、若手力士の持つ潜在能力と若くも新しい実力者たちの台頭を示しています。

彼らの偉業は、大相撲の予測不可能な魅力と、実力次第では階級に関わらずどの力士にもチャンスがあることを証明しています。

平幕優勝まとめ

今回、平幕優勝について詳しく見てきました。

平幕優勝は、大相撲における特筆すべき成果であり、力士の実力と精神力を象徴しています。

歴史を通じて、様々な力士がこの偉業を成し遂げ、大相撲の舞台に新たな物語を刻んできました。

彼らの活躍は、大相撲のドラマと感動を生み出し、多くのファンを魅了し続けています。

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