大相撲の三役とは?重要で名誉ある階級についてやさしく解説

大相撲に少しでも興味を持ったあなたに、今回は大相撲の「三役」という特別な階級についてお話ししましょう。

三役とは、大相撲においてとても重要で名誉ある地位の階級です。

この階級に上がることは、力士にとって大きな夢であり目標です。

ごく一部の力士しか辿り着くことのできない番付である三役について詳しく知れば、その偉大さをきっと理解できるでしょう。

目次

大相撲の三役とは?

大相撲における三役とは、大関、関脇、小結のことを指します。

これらは力士の中でも特に実力があり、名誉ある地位を占める番付です。

最高位である大関になるためには、非常に高い技能と安定した成績が必要です。

関脇は、大関に次ぐ地位で、常に大関への昇進を目指す力士たちが日々競い合いを繰り広げています。

さらに関脇に続くのが小結ですが、小結へ昇進すること自体がとても難しいことであり、三役に昇進できること自体が力士のキャリアにおいて大きな栄誉とされています。

なお、横綱は大相撲の最高位であり、その技術、品格、強さが求められますが、実は三役の中には数えられません。

これはかつて横綱が番付における地位ではなく「称号」であったためと言われています。

現在の三役の力士(令和6年2月7日現在)

大関
  • 霧島(陸奥部屋)
  • 高安(友綱部屋)
  • 豊昇龍(立浪部屋)
関脇
  • 琴ノ若(佐渡ケ嶽部屋)
  • 大栄翔(追手風部屋)
小結
  • 宇良(木瀬部屋)
  • 朝乃山(高砂部屋)

このうち、大関の高安と豊昇龍は、いずれも新大関であり、大関としての地位を固めようと奮闘しています。

関脇の琴ノ若と大栄翔は、優勝争いに加わる力があり、大関昇進を目指しています。

小結の宇良と朝乃山は、いずれも怪我の影響で番付を落としたものの、復活を期して頑張っています。

また現在の三役の力士は、各場所によって変わります。

これらの力士は、前の場所での成績に基づいて選ばれます。

特に横綱と大関は、安定した強さを持つ力士が占めることが多く、場所ごとに最も注目すべき力士です。

三役の力士たちの戦いは非常に迫力があるため、大相撲の中でも特に楽しめる取組として、大相撲ファンからの注目を集めます。

三役下の番付とは?

三役の下には、前頭、十両などの番付があります。

前頭は三役に次ぐ地位で、いわゆる幕内と呼ばれる階級です。

十両は力士の中でも基本的なランクで、ここから幕内を目指す力士が集まる激戦区です。

これらの番付の力士は、それぞれの場所で激しい取組を織り成し、心技体を鍛えて番付の昇進を争い、大相撲のこれからを担う次の主役達といえます。

三役経験者の幕下力士

2023年7月20日時点で大相撲の幕下力士に陥落した三役経験者は以下のとおりです。

幕下陥落の三役経験者
  • 東幕下13枚目:豪ノ山(武隈部屋)
  • 東幕下14枚目:竜電(井筒部屋)
  • 東幕下15枚目:阿炎(錣山部屋)

※2024年1月24日の時点では3名とも幕内に復帰しています。

豪ノ山は、2022年7月場所で最高位の東前頭3枚目に昇進し、三役経験者となりました。

しかし、2023年5月場所で新型コロナウイルス感染症対策のガイドライン違反により、6場所出場停止の処分を受け、幕下に陥落しました。

竜電は、2020年11月場所で最高位の東関脇に昇進し、三役経験者となりました。

しかし、2023年3月場所で左足関節の負傷により、6場所休場し、幕下に陥落しました。

阿炎は、2020年9月場所で最高位の東小結に昇進し、三役経験者となりました。

しかし、2023年5月場所で新型コロナウイルス感染症対策のガイドライン違反により、6場所出場停止の処分を受け、幕下に陥落しました。

このほか、三役経験者で、現在は序二段以下の力士もいます。

このように、三役を経験した力士が幕下に降格することがあります。

これは、怪我や成績不振によるものが多いです。

三役経験者が幕下にいると、その場所では特に注目されます。

彼らはかつての番付の地位を取り戻すため、また、新たに心機一転に再出発するため、一層の努力を重ねるのです。

三役経験があるということは、その力士が一定の実力と経験を持っている証明であり、幕下での彼らの戦いは、多くのファンからの激励を受けるだけでなく、幕内、そして三役への復帰が見どころとなり盛り上がります。

大相撲で三役になるには?昇進のルール

大相撲で三役に昇進するためには、一定の成績基準を満たす必要があります。

前頭の上位に位置した上で勝ち越すことが必要です。

厳密には三役の定員は決まってはいませんが、通常はそれぞれの階級に2名ずつである場合がほとんどです。

そのため、満席扱いで三役昇進が見送られる場合もあります。

なお、三役の中でも大関や、その上の横綱に昇進するためには、連続して優秀な成績を収めることが求められます。

例えば、大関に昇進するためには、前頭や小結の地位で一定の勝ち越しを続ける必要があります。

さらに上位の横綱に昇進するためには、大関の地位で連続して優勝するだけでなく、横綱としてふさわしい品格が求められるなど、特に顕著な成績が求められます。

これらの昇進基準は、力士の実力と品格を維持するために設けられています。

三役復帰のための条件

三役から降格した力士が三役に復帰するためには、一定の条件を満たす必要があります。

これには、再び高い成績を収めることが含まれます。

降格後、力士は前頭の地位で安定した勝ち越しを目指し、番付を上げる、または維持していく必要があります。

力士の中でも才能と機会に恵まれた、ごく一部の者しか上がることのできない三役への復帰は簡単なことではなく、強い意志と粘り強さが必要です。

三役へ復帰できれば、その力士の技術や精神が本物の証であるとして、大相撲界で高く評価されます。

三役の給料は?

三役の力士は、大相撲の中でも高い給料を受け取ります。

給料の額は、彼らの階級や成績によって異なりますが、大関は特に給与が高いです。

さらに、勝利数や特別賞の獲得に応じて賞金も加算されます。

三役の力士が得る給料は、その地位の名誉と責任を反映しており、力士としての強さや地位を象徴しています。

高い給料は、長年の厳しい訓練と大相撲への貢献を示すバロメーターでもあるのです。

三役揃い踏みとは?

大相撲の「三役揃い踏み」とは、三役の取組の前に「これより三役揃い踏み」という言葉と共に、大関(横綱)、関脇、小結が一同に揃って土俵に足を踏み入れて四股を踏む儀式のことです。

これは、場所の開幕日や特別なイベントの際に行われる伝統的なセレモニーで、大相撲の格式と風格を示す重要な行事の一つです。

大相撲の中でも別格に強い三役の力士たちが土俵に上がり、力強く四股を踏む様子は、大変壮観であり、相撲ファンにとっては見逃せません。

三役揃い踏みの並び方

三役揃い踏みの並びは、以下のとおりです。

東方(前から見て△の形)
  • 右前方:小結
  • 左前方:関脇
  • 後方:大関
西片(前から見て▽の形)
  • 前方:小結
  • 右後方:関脇
  • 左後方:大関

このように三役揃い踏みの際、力士たちは特定の並びで土俵に上がります。

この並び方は、大相撲の厳格な序列と伝統を尊重する象徴的な儀式となっています。

まとめ

今回は、大相撲の三役について詳しく見てきました。

三役は大関、関脇、小結のことで、これらの地位は、一度付くことできるだけでも力士にとって大きな名誉とされています。

長く留まることができれば、なおさら大きな名誉だと言えるでしょう。

また三役の力士は高い給料を得ており、三役揃い踏みのセレモニーでは、大相撲での取組の主役としてその威厳と格式を見せつけます。

これらの力士たちは、まさに大相撲の華であり、その活躍は数多くのファンを魅了し続けています。

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