大相撲における金星とは?大盛り上がり必至の番狂わせを解説
今回は大相撲に興味を持つ方向けに「金星(きんぼし)」についてお話しします。
金星は平幕力士による大番狂わせを成し遂げた時に与えられる名誉ある称号のこと。
この快挙は、大相撲の場所で最も楽しめる貴重な瞬間の一つとされ、大相撲ファンに大きな驚きと喜びを与えます。
この記事では、金星のすごさや魅力を一緒に探ってみましょう。
大相撲の金星とは?
金星とは、大相撲で平幕力士、つまり前頭が横綱を破ることによって与えられる特別な勲章のようなものです。
通常、横綱はその圧倒的な力と技術で知られ、非常に大きな実力の差のある平幕の力士に敗北することはまずありません。
だからこそ、平幕の力士が横綱を破ると大きなニュースとなり、金星を獲得した力士にとっても大きな自信と名誉に繋がります。
そのため金星獲得は力士のキャリアの中で特別で忘れることのできない一戦です。
大相撲で金星を上げるすごさについて
金星を獲得することのすごさは、横綱の強さと希少性に起因します。
横綱は相撲界の頂点に立つ力士であり、彼らを破ることは非常に難しいことです。
横綱の勝率は平均して8割程度といわれ、黒星については、同格の横綱や大関を中心とした三役によるものがほとんど全てです。
ほとんど超人といってもいい実力者が集まる三役以上の取組において、8割の勝率がどれほど驚異的かがわかるかと思います。
そのため金星を獲得することは技術、精神力、戦略の全てが高いレベルで備わっていなければ不可能です。
金星は単なる勝利以上の意味を持ち、大変な盛り上がりを見せる、まさに大番狂わせといっても差し支えないでしょう。
大相撲の金星で獲得できる手当・金額
大相撲の金星で獲得できる手当・金額は、以下のとおりです。
増加する基本額
- 対象:金星1つにつき
- 力士褒賞金10円×4,000倍=40,000円
支給時期
- 各場所ごとに支給
- 年間6場所×40,000円=240,000円
支給期間
- 関取在籍中(幕下に陥落するともらえない)
つまり金星を一つ取るごとに、手当の基本額が増額します。
一見すると少ないように見えても、長い目で見るとかなりの金額になることがわかります。
また金星を2つ、3つと獲得することで、この金額は増えていくためとても夢があり、ありがたい手当となるのです。
また、金星は力士の評価や人気にも影響を与え、将来的な収入増にも繋がる可能性があります。
金星を獲得することは、金銭的な報酬だけでなく、キャリアにおける大きな評価となるのです。
大相撲の金星最多の現役力士達
現役力士で金星を獲得しているのは、以下の通りです。
番付 | 四股名 | 金星の数 |
関脇 | 玉鷲 | 7 |
小結 | 北勝富士 | 7 |
小結 | 遠藤 | 7 |
関脇 | 妙義龍 | 6 |
大関 | 高安 | 5 |
関脇 | 大栄翔 | 4 |
大関 | 貴景勝 | 3 |
関脇 | 阿炎 | 3 |
関脇 | 宝富士 | 3 |
前頭3 | 友風 | 2 |
小結 | 錦木 | 2 |
前頭1 | 宇良 | 2 |
大関 | 御嶽海 | 2 |
小結 | 阿武咲 | 2 |
小結 | 翔猿 | 2 |
現役力士の中で金星を最も多く獲得している力士は、その実力と戦略が優れているという証明になるでしょう。
横綱に対して高い勝率を持ち、将来の有望な力士として常に場所における注目の的となります。
これらの力士は、技術だけでなく精神的な強さや試合における冷静な判断力を兼ね備えており、若手力士の見本となっています。
大相撲の歴代金星最多力士
2023年1月23日現在、大相撲の歴代金星最多力士は、元関脇の安芸乃島(現・高田川親方)の16個です。
安芸乃島は、1991年7月場所から2000年11月場所まで、10場所連続で金星を獲得するなど、数々の記録を打ち立てました。
2位は、元大関・貴ノ花の15個です。
貴ノ花は、1970年代から1980年代にかけて活躍し、横綱・北の湖と並ぶ黄金時代を築きました。
3位は、元大関・朝潮の14個です。
朝潮は、1960年代から1970年代にかけて活躍し、5回も横綱に昇進しました。
以下に、大相撲の歴代金星最多力士トップ10を示します。
順位 | 力士 | 金星数 |
1 | 安芸乃島 | 16 |
2 | 高見山 | 12 |
2 | 栃乃洋 | 12 |
4 | 土佐ノ海 | 11 |
5 | 北の洋 | 10 |
5 | 安念山 | 10 |
5 | 鶴ヶ嶺 | 10 |
5 | 出羽錦 | 10 |
5 | 巨砲 | 10 |
10 | 三根山 | 9 |
10 | 玉乃海 | 9 |
10 | 長谷川 | 9 |
10 | 富士櫻 | 9 |
10 | 貴闘力 | 9 |
10 | 逸ノ城 | 9 |
なお、金星は大正から存在し、昇給の対象となったのは1930年と意外にも歴史は古いです。
また上記のように歴代で金星を多く獲得した力士たちは、大相撲の歴史の中で特別な位置を占めています。
これらの力士は、長年にわたり一貫して高い実力を維持し、数多くの横綱と対峙してきました。
歴代金星最多の力士の記録は、相撲ファンにとって伝説的なものであり、彼らの戦いぶりは今も語り継がれています。
また今後もこれらを超える金星を獲得する実力のある強い力士の登場が楽しみでもありますよね。
大相撲の金星まとめ
金星は、大相撲において特別な意味を持ちます。
横綱を破るという番狂わせは、単なる勝利以上の価値があり、力士にとっての大きな達成感と名誉をもたらします。
金星を獲得した力士は、その技術と精神力が高く評価され、大相撲の歴史にその名を刻みます。
大相撲の興奮と驚きの一部であり続ける金星は、これからも多くのファンに感動を与えるでしょう。