相撲の禁じ手はいくつある?数や技、過去の事例について

大迫力の大相撲の観戦はとても楽しいものですよね。

さまざまな技や駆け引きが繰り広げられ、土俵際の攻防には手汗を握るものがあります。

しかし、そんな相撲において「ルール違反」つまり禁じ手があることをご存知でしょうか?

今回は相撲の「禁じ手」について詳しく解説します。

目次

相撲における禁じ手とは?

禁じ手とは、相撲のルールで禁止されている技や行動のことです。

これらは、相撲の伝統や公平さを守り、力士の怪我を防ぐために設けられています。

禁じ手には、力士の安全を脅かしたり、不公平な結果をもたらすような技が含まれます。

角界ではこれらの禁じ手を厳しく禁止しており、違反があった場合には即座に反則負けとなってしまいます。

禁じ手がある理由

禁じ手が設けられている理由は、主に力士の安全確保と公正な勝負を守るためです。

相撲は体を張った競技であり、怪我のリスクが伴います。

禁じ手に指定されている技は、力士に重大な怪我を負わせる可能性が高いとされるため、そのような結果は絶対に避けなければなりません。

また、公正な競技環境を保つためにも、特定の不正行為や危険な技を排除する必要があります。

これにより、力士の技術や戦略が正しく評価されるだけでなく、安全な取組を守ることにつながります。

相撲の禁じ手の例

相撲にはいくつかの代表的な禁じ手があります。

例えば、「握りこぶしで殴る」「まげを掴む」「両耳を同時に両手の平で張る」などが挙げられます。

禁じ手は相手に重大な怪我を与える恐れがあり、相撲道に反するため禁止されています。

他にも「前立てみつをつかみ、また横から指を入れて引く」「ノドを掴む(のど輪を除く)」「胸や腹を蹴る」「一指、二指を折り返す」なども禁じ手に含まれます。

これらの技は試合中に使用すると即刻反則負けとなります。

禁じ手①握りこぶしで殴る

「握りこぶしで殴る」という禁じ手は、相撲において最も基本的なルール違反の一つです。

相撲は握りこぶしによる打撃を伴わない格闘技であり、殴打は他のスポーツと異なり、絶対に行ってはいけない技です。

この行為は、相手力士に対して重傷を負わせる可能性が高く、また相撲の精神に反するため厳しく禁止されています。

禁じ手②まげを掴む

「まげを掴む」という禁じ手は、相撲において非常に重要なルール違反です。

まげは力士の髪を結い上げた部分であり、これを掴む行為は非常に危険です。

まげを掴むことによって相手の頭皮や首に大きな負荷がかかり、怪我の原因となることがあります。

このため、試合中にまげを掴む行為は絶対に避けるべきであり、もし行われた場合は反則負けとなります。

禁じ手③両耳を同時に両手の平で張る

「両耳を同時に両手の平で張る」という禁じ手は、相撲で禁じられている危険な技の一つです。

この行為は、相手の鼓膜や頭部に強い衝撃を与え、最悪の場合、耳が聞こえなくなったり、頭部に重傷を負わせたりする恐れがあります。

耳に後遺症が残ることもあるため、絶対に行ってはなりません。

禁じ手④前立てみつをつかみ、また横から指を入れて引く

「前立てみつをつかみ、また横から指を入れて引く」という禁じ手は、相手のまわしの局部の部分を不正に利用する行為です。

まわしは相撲における重要な道具であり、その使用方法には特定のルールがあります。

このため、不正な方法でまわしを利用する行為は禁じられています。

禁じ手⑤ノドを掴む(のど輪を除く)

「ノドを掴む(のど輪を除く)」も重要な禁じ手です。

相撲において、相手のノド部分を掴む行為は危険であり、重傷に繋がる恐れがあるため禁止されています。

ただし、のど輪と呼ばれる正当な技で相手の首を押す行為は許されています。

この区別は、相撲の技術と安全規則のバランスを取るために重要です。

力士は、攻撃の際にも相手の安全を考慮する必要があります。

禁じ手⑥胸や腹を蹴る

相撲において、「胸や腹を蹴る」行為も禁じ手に含まれます。

これは、相手の胸や腹部に対して直接的な蹴りを入れることを意味し、力士の安全を考慮して禁止されています。

相撲は力と技術を競うスポーツであり、不必要な怪我を避けるためにこうした攻撃的な行為は厳しく制限されています。

力士たちは、相手を土俵から出す、または地面に倒すことに焦点を当て、危険な行為は避けなければなりません。

禁じ手⑦一指、二指を折り返す

「一指、二指を折り返す」という行為も、相撲の禁じ手の一つです。

これは、相手の一指や二指を特定して折り曲げることで、指を痛める恐れがあるため禁止されています。

相撲では、相手の体を掴む際に手の平全体を使うことが求められ、特定の指を狙って攻撃する行為は不正と見なされます。

このルールは、技術的な公平性を保ち、怪我のリスクを減らすために設けられています。

その他禁じ手を問われる技

大相撲を除き、学生相撲やアマチュア相撲においては、他にもいくつかの禁じ手が存在します。

これらは技術的な細かな違いや危険性により禁止されています。

たとえば、関節を痛める可能性の高い技や、出血の危険がある技などがこれに該当します。

これらの技は、相撲の公平な競技精神に反するものと見なされ、一部の相撲競技では禁止されています。

相撲は、力と技術を競うスポーツですから、危険な技は避けられるのです。

鯖折り

「鯖折り」とは、相手の腕を無理に曲げて関節を痛める技のことを指します。

この技は、相手に深刻な怪我を負わせる可能性があり、一部の相撲の禁じ手に含まれています。

鯖折りは相手の腕に大きな負担をかけるため、怪我のリスクが非常に高いです。

相撲は相手を尊重し、安全に競技を行う精神に基づいているため、こうした危険な技は制限されています。

張り手

「張り手」とは、相手の顔や頭部に手のひらで強く打ち付ける技です。

この技は、相撲で頻繁に見られるものの、強すぎる張り手や不適切な使い方は問題視されることがあります。

特に、顔面への過度な張り手は危険とされ、場合によっては禁じ手と見なされることもあります。

力士たちは張り手を使う際には、相手への影響を考慮し、適切に技を用いることが求められます。

なお、大相撲では問題ありません。

頭突き

「頭突き」は、頭を使って相手を攻撃する技です。

相撲では「ぶちかまし」と呼ばれる頭突きが使われることもありますが、過度な頭突きや危険な使い方は禁じられています。

特に、意図的に相手の顔面や喉に対して行う頭突きは、相手に重傷を負わせる可能性があるため禁止されています。

相撲では、技術と力の競い合いが重視され、危険な攻撃は避けられるべきです。

かんぬき

「かんぬき」とは、相手の腕を掴んで体を固定し、動けなくする技です。

この技は相撲の中では比較的珍しく、相手の自由を奪うために使われます。

しかし、過度に強く行うと怪我の原因となり得るため、注意が必要です。

かんぬきは相手を制御するための技であり、力士はその使用に際して相手への影響を十分に考慮する必要があります。

相撲の禁じ手をおもしろおかしく伝える初っ切り

初っ切り(しょっきり)とは、大相撲の花相撲や巡業などで行われる、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見世物です。

初っ切りの歴史は古く、江戸時代から行われていたといわれています。

当時は、相撲のルールや禁じ手を、一般の人々にわかりやすく伝えるために行われていました。

初っ切りでは、力士が2人組になって、相撲の禁じ手を次々と披露します。

初っ切りの力士は、禁じ手を真剣に披露するのではなく、コミカルな演技をすることで、観客を楽しませます。

また、初っ切りでは、以下のような茶番も演じられます。

初っ切りの代表的な見世物
  • ラリアットをする
  • 大量の塩を撒いたり、大量の塩を両手に持ち、撒くフリをして結局撒かない
  • ボクシングやプロレスのような動きをする

初っ切りは、大相撲の伝統的な見世物であり、大相撲の人気の一つとなっています。

初っ切りの見どころ

初っ切りの見どころは、以下のとおりです。

見どころはここ!
  • 力士たちのコミカルな演技
  • 禁じ手を使った茶番
  • 大相撲の伝統を感じられる

初っ切りは、大相撲初心者の方にも楽しめる見世物です。

大相撲観戦の際には、ぜひ初っ切りもチェックしてみてください。

まとめ

今回は、大相撲における禁じ手についてご紹介しました。

禁じ手は、相撲の安全性と公平性を守るために設けられています。

これらのルールは、力士たちに高い技術と相手への配慮を求め、スポーツとしての相撲の品位を保っています。

禁じ手を知ることは、大相撲の奥深さを理解するための重要な一歩です。

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