横綱とは?大相撲の頂点を詳しく解説します

大相撲において、横綱はただの王者ではありません。

それは、伝説とも呼べる存在であり、神事としては横綱は生ける御神体のようなものです。

最近大相撲の魅力に目覚めた皆様に向けて、この横綱という地位が持つ意味、横綱になるための道のり、そして横綱が示す「強さ」と「すごさ」について、深くやさしく解説します。

横綱の世界への理解を深めることで、大相撲の魅力をしっかりと感じられるでしょう。

目次

横綱とは

横綱は、大相撲における最高位の力士を指します。

「横綱」という名前の通り、横にした綱、つまりしめ縄を締めていることが横綱の由来です。

この地位は、単に技術的な強さだけでなく、品格や相撲に対する姿勢、そして相撲界全体を引っ張っていくリーダーシップも求められます。

横綱に昇進するには、連続して負けない優秀な成績を残し続ける必要があり、その基準は非常に厳しいものです。

横綱は、相撲界の象徴として、ファンだけではなくライバルである力士たちからですら尊敬される特別な存在です。

横綱は生ける伝説であり御神体でもある

横綱という位は、単なる勝負の強さを超えた、相撲界全体の精神性を体現するものです。

日本、そして世界中で選ばれた遺伝子と、鍛え上げられた肉体を持つフィジカルモンスターが集まるのが大相撲。

そんな角界で、奇跡的とも言える勝率を維持する横綱は、生ける伝説と言っても言い過ぎではありません。

そして横綱の語源ともなった、横綱が「横に締める綱」は、ご神木やしめ縄と同じ御神体に締めるもので、横綱は御神体そのものというわけです。

綱に付けられる白くひらひらとした「紙垂(しで)」からも、それをうかがい知れます。

横綱の強さとすごさ

横綱の「強さ」とは、単に相撲技術の優れていることだけではなく、精神的な強さ、相手を尊重し、自らを律することができる内面の強さも含まれます。

江戸時代から数えても、わずか七十数名しかいない、非常に限られた番付でもあるのです。

もちろん単純な勝利という「強さ」だけをとっても、8割弱というとんでもない勝率を維持し続ける彼らの力がどれほどのものかは想像に難くありません。

他のプロスポーツでも8割弱の勝率を誇る選手やチームは、限りなく少ないのではないでしょうか。

また、「すごさ」とは、その存在感やカリスマ性、相撲界における影響力のことを指します。

横綱は、全ての力士の目標であり、彼らが憧れ、追い求める相撲道の極地です。

大相撲における横綱の地位は、ただの番付ではなく、相撲界の伝統と精神を象徴する重要な役割を担っています。

横綱という存在を深く知ることは、大相撲そのものを知ることと繋がるため、より一層相撲の観戦を楽しむことができるでしょう。

横綱のなり方は?昇進条件の目安はこれ

横綱になるためには、ただ単に強いだけでは不十分です。

昇進の目安としては、大関として2場所連続での本場所優勝、またはそれに準ずる成績を残すことが一般的な条件とされています。

特に、連続する本場所での優秀な成績が重視され、その強さが持続的であることが求められます。

しかし、これらはあくまで目安であり、最終的には日本相撲協会の横綱審議委員会による厳正な審査を経て、横綱への昇進が決定されます。

横綱には強さだけでなく品格も求められる

横綱の地位は、相撲界における最高峰であるため、技術的な強さだけでなく、人としての品格も非常に重要です。

横綱は相撲界の顔として、その言動一つひとつが注目され模範とされます。

そのため、横綱は日々の行動や公の場での振る舞いにおいても、常に相撲界の伝統や倫理を尊重し、相撲ファンや後輩力士に対して良い手本を示す必要があります。

現在は宮城野親方として活躍する、元横綱・白鵬関は、取組内容や土俵外での振る舞いから、度々横綱としての資質を疑う声が聞かれました。

品格が問われるのは、横綱が単なる競技者ではなく、文化の伝承者であるからです。

横綱からの降格はあり得るのか

横綱は一度その地位に就くと、成績不振などの理由で降格されることはありません。

しかし、横綱としての責任と品格を維持することができなかった場合、自ら引退を選択することが一般的です。

横綱の地位は終身名誉職とも言えるもので、その名誉を守るためには、場合によっては自ら引退する決断も求められます。

他にも振る舞いによる問題などで、横綱審議委員会から引退勧告が出された場合も、引退以外の選択肢はありません。

横綱の引退は、相撲界において大きなニュースとなり、その力士の時代の終わりを告げることになります。

横綱の地位は、相撲界における最も尊敬される地位であり、その道への道のり、そして維持し続けることは非常に厳しいものです。

横綱に求められるのは、技術的な強さだけでなく、人としての品格、そして相撲を愛し、相撲文化を次世代に伝える責任感です。

横綱という地位は、大相撲の伝統と魂を象徴するものであり、その重みと誇りは計り知れません。

横綱は何人までなれる?

横綱の数に上限は設けられていません。

相撲協会の横綱審議委員会が、力士の実力や品格を基に適任と判断すれば、複数の力士が同時に横綱となることも可能です。

そのため、歴史上、同時に複数の横綱が活躍する時代もあり、最大で4横綱時代があり、過去に16例ありました。

それ以上の人数であった時代は存在しないため、事実上は4人が最大と考えて良いでしょう。

横綱の地位は、その時代の相撲界を代表する力士たちが務めるため、その数は時代によって変動します。

横綱3人時代はあった?

はい、横綱3人時代は過去に何度もありました。

この状況は、相撲界が特に競争が激しく、多くの力士が高い実力を持っている時に発生します。

3人の横綱がいる時代は、相撲の人気が高まり、試合の見どころも増えるため、ファンにとっては見ごたえのある時代だと言えるでしょう。

横綱4人時代はあった?

横綱4人時代も過去には存在しました。

複数の力士がそれぞれに横綱の資格を満たし、審議委員会によって同時期に横綱と認定されることがあります。

4人の横綱が同時に活躍する時代は、相撲界において特に華やかな時代だと言えるでしょう。

過去に16回ほど4横綱時代が存在しています。

2024年2月現在の直近では、2017年の白鳳・日馬富士・鶴龍・稀勢の里の4強時代が4横綱時代に当てはまります。

今後の横綱候補は?日本人はいる?

今後の横綱候補については、多くの相撲ファンや専門家が注視している話題です。

現在、幾人かの力士がその実力と品格において将来の横綱候補と見なされています。

日本人力士も、もちろん横綱候補に含まれており、近年では国籍を問わず多様なバックグラウンドを持つ力士たちが横綱を目指して日々稽古に精進しています。

そして2024年2月現在、横綱昇進が期待されている力士は「霧島」「琴ノ若」の2名です。

相撲界は常に変化しており、次世代の横綱は、霧島関と琴ノ若関以外にも活躍している力士たちの中から現れるでしょう。

横綱の地位は、大相撲における最高峰であり、その数や在位する力士は時代によって変わります。

相撲界の未来を担う横綱候補たちには、技術的な強さだけでなく、品格や相撲界への貢献も期待されています。

これから現れる新たな横綱たちは、相撲の伝統を継承し、新たなスターとして大相撲を盛り上げてくれるでしょう。

横綱の給料・報酬・年収は?

横綱の給料や報酬は、大相撲の中で最も高いレベルに設定されています。

その金額は毎月282万円、年収にして3,384万円、本場所での優勝で1,000万円支給されるという破格ぶりです。

日本相撲協会からの基本給に加え、本場所での成績に応じた賞金、懸賞金、そして各種の特別手当が年収に影響します。

さらに、個人スポンサーやCM出演などからの収入もあり、横綱の年収は非常に高額になることがあります。

ただし、具体的な数字は公表されていないため、一般的な推測の範囲内でしか知ることができません。

横綱からの金星

「金星」とは、関取(十両以上の力士)が横綱に勝利した際に与えられる栄誉です。

金星は、力士のキャリアにおいて非常に価値が高く、横綱に勝利した力士の実力と名声を高めるものです。

横綱から金星を得ることは、地味ながらも長い報奨金を受け取れることから、若手力士にとって大きな目標の一つであり、その力士の将来性を占う重要な指標とされています。

歴代横綱一覧

歴代横綱の一覧は、相撲界の長い歴史を通じて輩出された、70名以上の伝説的な力士たちの名前を含んでいます。

初代明石 志賀之助
第2代綾川 五郎次
第3代丸山 権太左衛門
第4代谷風 梶之助
第5代小野川 喜三郎
第6代阿武松 緑之助
第7代稲妻 雷五郎
第8代不知火 諾右衛門
第9代秀の山 雷五郎
第10代雲龍 久吉
第11代不知火 光右衛門
第12代陣幕 久五郎
第13代鬼面山 谷五郎
第14代境川 浪右衛門
第15代梅ケ谷 藤太郎
第16代西ノ海 嘉治郎
第17代小錦 八十吉
第18代大砲 万右衛門
第19代常陸山 谷右衛門
第20代梅ケ谷 藤太郎 (二代)
第21代若島 権四郎
第22代太刀山 峰右衛門
第23代大木戸 森右衛門
第24代鳳 谷五郎
第25代西ノ海 嘉治郎(二代)
第26代大錦 卯一郎
第27代栃木山 守也
第28代大錦 大五郎
第29代宮城山 福松
第30代西ノ海 嘉治郎(三代)
第31代常ノ花 寛市
第32代玉錦 三右衛門
第33代武蔵山 武
第34代男女ノ川 登三
第35代双葉山 定次
第36代羽黒山 政司
第37代安藝ノ海 節男
第38代照國 万蔵
第39代前田山 英五郎
第40代東富士 謹一
第41代千代の山 雅信
第42代鏡里 喜代治
第43代吉葉山 潤之輔
第44代栃錦 清隆
第45代若乃花 幹士
第46代朝潮 太郎
第47代柏戸 剛
第48代大鵬 幸喜
第49代栃ノ海 晃嘉
第50代佐田の山 晋松
第51代玉の海 正洋
第52代北の富士 勝昭
第53代琴櫻 傑将
第54代輪島 大士
第55代北の湖 敏満
第56代若乃花 幹士 (二代)
第57代三重ノ海 剛司
第58代千代の富士 貢
第59代隆の里 俊英
第60代双羽黒 光司
第61代北勝海 信芳
第62代大乃国 康
第63代旭富士 正也
第64代曙 太郎
第65代貴乃花 光司
第66代若乃花 勝
第67代武蔵丸 光洋
第68代朝青龍 明徳
第69代白鵬 翔
第70代日馬富士 公平
第71代鶴竜 力三郎
第72代稀勢の里 寛
第73代照ノ富士 春雄

初代横綱から現代に至るまでの横綱たちは、それぞれが相撲の歴史において重要な役割を果たしてきました。

歴代横綱のリストは、相撲協会の公式資料や相撲に関する書籍で詳細を確認することができ、相撲の歴史や文化を学ぶ上で貴重な資料となっています。

横綱という地位は、大相撲における最高峰であり、その地位に就くためには卓越した技術、強靭な精神力、そして相撲界に対する深い敬意と責任感が求められます。

歴代横綱たちは、相撲を愛し、相撲文化を未来に伝えるために、その生涯を捧げてきました。

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